気付きマーケティング研究所

生活者意識の最新トレンドや、話題のビジネスモデルに対する気付きを発信していきます。

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11月1日に日経トレンディが「「2012年ヒット商品ベスト30」を発表しました。
1位の東京スカイツリーは別として、全体的には「これが?」というランキングでした。
私も仕事柄、新商品やヒット商品には常にアンテナを張っていましたが、今年は大ヒットした商品なんて無いんじゃないかと正直思っていました。
念のため、発表されたベスト10を記載しておきますね。

1位 東京スカイツリー
2位 LINE
3位 国内線LCC
4位 マルちゃん正麺
5位 フィットカット カーブ
6位 JINS PC
7位 おさわり探偵 なめこ栽培キット
8位 キリン メッツ コーラ
9位 街コン
10位 黒ビール系飲料

7位の「おさわり探偵 なめこ栽培キット」はさすがに知りませんでしたが、それ以外の商品はなんとなく見聞きしたことがある商品です。しかし、どれもベスト10に入るほど大ヒットしたという印象はありませんでした。

日経トレンディ編集長が記者会見で話していましたが、今年のヒット商品の特徴は「今まであった商品を付加価値化した商品」だそうです。確かにベスト10の中にはそうした付加価値型商品が多く見られます。しかし、「付加価値型商品」はその字のとおり現在価値に何かを加えることで、“ちょっと良くなる・ちょっと便利になる”というものであり、そこには時代や生活を大きく変えてくれるダイナミズム感がありません。そのダイナミズム感が感じられないことが今年のヒット商品ランキングの「?」の原因なのかもしれません。

もうひとつ言えるのは、ヒット商品の賞味期限が短くなってきているということです。
ベスト4以下のどの商品をみても「そういえばちょっと前に流行ったよなぁ」という感じがして、今もイケテルという感じがしません。日々さまざまな商品が登場し、メディアが瞬発的に採り上げるという情報環境においては、ヒットの賞味期限を1年間もたせるのが大変な時代になったのでしょう。

景気の“気”は気分の“気”だとよく言われます。
こんな不景気の時だからこそ、私達の気分をもっとワクワクさせてくれる、変化のダイナミズム感溢れる商品の登場を期待したいものです。

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東京ディズニーランド(TDL)の年間来園者に占める40代以上の比率が19.7%になったという記事が日経新聞に載っていました。
記事によると、40代以上の比率は98年3月期では僅か9%弱だったのが、年々この世代の来園客数が増加しているとのこと。特に顕著なのは40代の女性客の増加であり、女友達と連れ立って来園しているようです。

TDLといえば子供や若者達が楽しむ場所というイメージがありますが、ここにきて40代のおとなの女性達の来園が増えているのは何故なのでしょうか?私なりにインサイトしてみました。

先ず、彼女達のライフステージから考えてみると、この世代は子供に手が掛からなくなり、時間的な余裕ができたタイミングにあります。しかし、時間に余裕ができたからどこかに遊びに行こうと思っても、子供は自分達で勝手に遊びに行ってしまうし、ご主人はまさに働き盛りの忙しい毎日であり、誘っても無理だと断られる。だったら仲の良い女友達同士で遊びに行こう!という図式なのではないでしょうか。

また、消費価値観特性で考えると、彼女達はまさにバブル真っ只中で20代を過ごした世代です。TDLはもちろん、夜な夜なディスコに繰り出したり、海外旅行に行ったりと「非日常型消費」をアクティブに楽しんだ世代ですので、消費には極めて前向きな価値観を持っています。そういえばこの頃に「贅沢は素敵だ!」というコピーも流行りましたね。
しかし、バブル崩壊による金銭的余裕が無くなったことと、子育て期に入って時間的余裕が無くなったことから、大好きだった「非日常」を楽しむことができなくなってしまいました。それが子育てがひと段落したことから、ずっと我慢していた「非日常」を楽しみたいという思いが湧き上がってきたのですが、でもさすがにハワイに行くのはちょっと気がひけるので、手が届く「非日常」のTDLに気持ちが向かったのではないでしょうか。

TDL側でもこうした40代女性のマインド変化をキャッチアップして、「ディズニーのおとな旅45PLUSパスポート」という45歳以上限定の特典付きプランを販売しはじめました。CMでも流れていたのですが、40代後半の女友達3人がTDLで楽しんでいるシーンを流してこの世代の来園を刺激しています。こうした時代の変化や意識変化に迅速に対応するTDLは流石ですね。

ここにきて、アミューズメント市場だけでなく、様々な市場で40代以上の女性の存在感が増してきています。
時間的な余裕があり、消費に前向きな世代。この世代をどう取り込むのか、どんな新しいサービスが生まれるのか、気付きマーケティング研究所でもおおいに注目していきたいと思います。

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ソフトバンクの孫正義社長のtwitterには、いつも私達に新しい気付きを与えてくれる言葉があります。
9月21日のiPhone 5発売開始以降、イー・アクセスの完全子会社化、米国3位の携帯電話会社スプリントの買収など矢継ぎ早に新たな手を打っている孫さんですが、そんなアグレッシブな動きの中でこんなつぶやきをされました。

『目標が低すぎないか?平凡な人生に満足していないか?』(10月10日)

『背水の陣を敷く。何処にも逃げられない。その様に己を追い込む事で何倍もの知恵や力が出る事がある。』(10月27日)

この孫さんのつぶやきを見て、「蚤のサーカス」という警句を思い起こしました。
蚤は身長の100倍も高く飛べる動物なのですが、その蚤を箱の中に閉じ込め、天井に低いフタをします。蚤は何度飛び跳ねても天井に頭をぶつけて出られないので、次第に高いジャンプをしなくなり、このあとフタを取って外に出しても、箱のフタの高さ以上には飛べなくなるという話です。

人は生来、易きに流れるものです。誰でも最初は大きな夢や目標を抱いて努力しますが、その途中で低い目標を達成した“中途半端な満足”に納得してしまうと、「ここまで頑張ってやったんだからもういいかな・・・」と思い始め、それ以上のジャンプをしなくなります。
つまり「蚤のサーカス」での天井を自分自身で作ってしまうのです。

そしてこの“中途半端な満足”の怖いところは、そこに居続けられないことです。今までは低い目標までジャンプできたけど、そのうちに筋力が衰え、低い目標にすらジャンプできなくなります。ジャンプ力は高い目標に向かって筋力を鍛えることで維持され、強化されるものです。「昔はちょっと儲かったんだけどなぁ・・・」とつぶやく経営者が如何に多いことか。

一代でソフトバンクを日本有数の大企業まで成長させた偉大な実業家の孫さんでさえ、現状に甘んじることなく『目標が低すぎないか?平凡な人生に満足していないか?』と自分自身に問いかけ、そして高い目標を達成するために『背水の陣を敷く』と宣言しています。
この孫さんの言葉から、絶えず自分に高い目標を課し、自分を追い込んでこそ、本当の成功が手に入れられるのだと改めて気付かされました。私自身おおいに反省するところです。

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先日あるテレビ番組でWILLER TRAVELという会社の話題を取り上げていました。
WILLER TRAVELさんは2006年に高速ツアーバス事業に参入し、わずか6年ほどで業界最大手にまで成長した会社です。
過当競争といわれるバス業界の中で、何故これ程の短期間に業界最大手まで登りつめることができたのか、何故右肩上がりの成長を遂げられたのか、その最大の理由は「ブルーオーシャン(BO)戦略」にあるとのことです。

WILLER TRAVELさんのBO戦略とは、既存の高速バス利用者の奪い合い戦略ではなく、“今まで高速バスを利用していなかった”市場を新たに開拓し、その新市場そのものを取り込むという戦略です。
BO戦略のコンセプトは以下の3点に集約されています。
1. お客様が欲しいと思う価値の創造(イノベーション)
2. お客様が思っている不満・不安の解消(マーケティング)
3. これだったら利用したくなる価格訴求(レベニューマネジメント)

高速ツアーバスは東京・大阪間で1万円以下という低料金が売りですが、一方で「座席が狭くて窮屈」「見知らぬ男性の隣だと嫌だ」といった不満・不安も多く、利用者拡大の障壁となっていました。
そこでWILLER TRAVELさんは、例えば、ゆったり座れる3列シートの設置や、女性専用バスの運行など、こうしたお客様の不満・不安の声に真摯に耳を傾け、課題を一つ一つ解決していきました。
また、インターネットを最大活用した戦略的プライシングも新規需要拡大のポイントとなっています。航空業界で行っているような「早期割引料金」や、ホテルなどで行っている「直前割引料金」などの料金変動の仕組みを意欲的に取り込むことで、「これだったら利用したくなる価格訴求」に成功しています。
こうしたBO戦略展開によって、WILLER TRAVELさんの利用者に占める「初めて高速バス利用者」の比率はなんと8割近いとのことです。

マーケティング戦略を考える時に、私達はついつい顕在化している市場の中でライバルとどう戦うべきか、どうしたら顧客を奪えるかを考えがちです。しかし、厳しい競争環境の中で顧客シェアを拡大するには大変なカロリーや体力が必要ですし、身を削る価格競争に巻き込まれてしまうという危険性もあります。
そんな中で、このWILLER TRAVELさんの事例のような、ポテンシャルのある潜在市場を顕在化させ、その市場を大きく取り込むという「ブルーオーシャン戦略」の考え方は、競争を勝ち抜く上でのマーケティング戦略アプローチの重要なヒントを示唆してくれています。

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最近、女性のひとり旅市場が拡大基調にあるようです。
弊社で実施した「女性の国内旅行に関するアンケート」で「ひとり旅、あなたは好きですか?」という質問に対して、約6割の人達が“好き”と回答しました。
これは日本全国の30代40代の働く女性1000人を対象としたアンケートなのですが、このスコアの大きさには正直驚きました。
実際にひとり旅を楽しんでいる人は約2割とまだまだ少数派なのですが、残りの4割の方々は「今後機会を見つけてひとり旅をしてみたい」という構成になっています。

このひとり旅好きな6割の女性達に「ひとり旅、何して過ごしますか?」と質問したところ、以下のような結果になりました。

1位 観光名所を巡る(65%)
2位 とにかく温泉三昧(62%)
3位 お宿の周辺散策(49%)
4位 ひとりで食べ歩き(45%)
5位 エステやマッサージで癒される(42%)
番外 とにかく寝る(6%)

年代別で分析してみると、“観光名所を巡る”は30代でトップ、逆に“とにかく温泉三昧”は40代でトップとなっています。
30代女性はアクティブに行動するひとり旅を志向するけれど、40代女性は外出するよりお宿でゆったりと温泉を楽しみたいという意識の違いが見られます。

また、トップ5には入らなかったのですが、「お部屋に篭って普段読めなかった本を読む」「お部屋で何にもしないでボーと過ごす」といった意見も40代女性に見られました。
「とにかく寝る」と回答した人も6%いるのですね(笑)。

特に40代の働く女性ということを考えると、社内で責任のあるポストについていたり、毎日残業したりと忙しく働いている様子が想起されます。誰にも邪魔されずにひとりの時間を楽しみたい、温泉三昧でリフレッシュしたいという回答は、忙しく働く女性だからこその願望のあらわれなのだと気付かされました。

ひとり旅というと何となく寂しいイメージがありますが、現代のひとり旅好きな女性達はむしろ「ひとりの時間を満喫する」というように前向きなイメージでひとり旅を捉えているようです。

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弊社では、30代40代の働く女性の旅行意識を定期的に調査して、  
「女子旅白書」として情報発信しています。
バックナンバーはこちらでお読み頂けますので、是非ご覧ください。
「女子旅白書」はこちら
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来る2012年11月14日(水)に起業家向けのセミナーを開催します。
タイトルは「悩める起業家のためのビジネス成功術セミナー」です。

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「起業してみたものの・・・」思ったようにビジネスが進まない、なかなか成長軌道に乗らないといった
壁にぶつかっていませんか?
ビジネスには”やる気”と”情熱”はとても大切ですが、それだけではなかなか成功しません。
成功するためには「コツとヒント」が必要なのです。
本セミナーでは、起業して間もない方々や、これから本格的に起業したいと考えている方々に、
“成功のコツとヒント”をお伝えします!
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本セミナーは、マーケティング分野、IT分野、税務分野などのスペシャリストが起業家やポスト起業家を応援することを目的に集まった『タスクフォース』が主催するセミナーです。

全体2時間の3部構成で、私が第1部「成功のコツ編」を担当して、ビジネスを成功させるためのマーケティング発想方法を具体的な事例を通してお話します。
第2部は「成功のヒント編」ということで、ビジネスを成長させていく上で必要な“軍資金”の上手な調達方法について、公認会計士・税理士の遠藤先生がお話します。

ご興味のある方は是非お申し込みください。
当日お会いできることを楽しみにしています。

セミナー詳細情報はこちら

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皆さんは「俺のフレンチ」というレストランをご存知ですか?
本格フレンチを格安の値段で提供している「立ち喰い・立ち飲み」形式のフレンチレストランです。
牛フィレ肉とフォアグラを使った料理が1000円台という破格の料金に加え、シェ松尾の松涛レストランや青山サロンの元料理長といったトップシェフが料理をお出しするということで、口コミで噂が広まり、いまや行列ができるほどの人気店となっています。この人気に後押しされて、銀座店、神楽坂店、恵比寿店など、順次店舗拡大しています。
この「俺のフレンチ」を展開しているがBOOKOFFの創業者である坂本孝さんです。BOOKOFFを離れた後、何をしていたのかと思ったら、なんと外食産業に参入していたんですね。燃え続けるベンチャースピリットには頭が下がります。

「俺のフレンチ」では何故高級フレンチが格安の値段で提供できるのか、その理由は「顧客回転率」にあります。
飲食店においては、商品単価を下げることで確かに来店客数は増えますが、お店の席数というキャパシティがある限り、1日の売上客数は限定され、単価が下がった分だけ利益が減るというジレンマがあります。では、どのようにしたらキャパシティという限界性をブレイクスルーできるのか、そこで考えられたのが「立ち喰い・立ち飲み」というスタイルによる回転率の向上です。
深夜まで営業しているお店は別として、一般的なレストランの平均回転率は1回、多くて2回という状況の中、「俺のフレンチ」の平均回転率は3.7回という非常に高い回転率となっているそうです。

また、この立食スタイルは回転率を高める効果だけでなく、「高級フレンチ」と「立食」というミスマッチ感の面白さや、ちょっとしたイベント感など、マチュアな都市型生活者の感性をくすぐったこともヒットの要因なのではないかと思います。

ここ最近、「高くて当たり前」と思い込んでいた業界におけるイノベーション事例が多く見受けられます。エアライン業界におけるLCCや、ブライダル業界における格安結婚式サービスなど、高値安定していた業界に新しいイノベーションを持ち込んだビジネスが次々に登場してきています。
「俺のフレンチ」では“もっと気軽に、より多くの人達にフレンチを食べてもらうためには”という発想が、LCCでは“バスのように飛行機を使ってもらうためには”という発想が高値安定市場にイノベーションを生み出してくれました。

言い方は悪いですが、高値安定市場は消費者の「高いのは当たり前」という漠然とした意識に胡坐をかいている市場です。だからこそ新しいイノベーションによる獲得チャンスが大きい市場だとも言えます。
こうした高値安定市場に疑問を持ち、どうしたら攻め込めるのかを考えることも起業や新規ビジネスを考える上でとても大事なことだと思います。

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私は普段、企業のお客様に対して、販売戦略やプロモーション戦略、新規事業開発などの企画コンサルティングを行うビジネスをしているため、様々な視点から時代や消費者を捉え、その本質を見極めるスキルが絶えず要求されます。
ある商品やサービスを、消費者の視点で見たらどう見えるのか?ライバルの視点で見たらどこに競争優位性が見つかるのか?それは時代のトレンドにうまく適合できているのか?などなどを考え、クライアントにとっての最適な戦略解を見つけ出すスキルです。

このスキルを磨き、クライアントに対してより良い企画コンサルティングができるように、普段から私は「余計なお世話コンサル」と名付けたトレーニングをしています。
例えば、あるレストランに行った時に、このレストランを流行らせ、お客様をたくさん呼び寄せるためには何をしたらいいんだろうか、発信すべきUSP(Unique Selling Point)は何だろうか、といった企画やコンサルティングを勝手にしちゃうというトレーニング方法です。
お店の立地環境とか、来店客層とかを総合的に見ながら、メニューはこれで良いのか、他のレストランとの差別化はできているか、自分だったらどんなお店としてのアイデンティティを作るか、といったことを考えます。そして、自分なりの改善策やプロモーション方法まで考える。まあ、お店にしてみれば本当に「余計なお世話」なんでしょうけども・・・(苦笑)

また、「ヒット商品の裏側を考えてみる」というのも私がよくやるトレーニングです。
先日、テレビ番組を見ていたら「柿安ダイニング」の話題を取り上げていました。有名百貨店のデパ地下で高級お惣菜を販売している柿安さん。食品スーパーのお惣菜に比べてかなりお高い値段なのですが、いつも長蛇の列、売り切れ必至の活況ぶりだそうです。確かに素材の品質の高さや盛り付けの綺麗さなど、「売れる」ための条件は揃っているのですが、このデフレ時代に高級お惣菜を「買う理由」って何だろうか?と考えてみました。
あくまで私の仮説ですが、「柿安のお惣菜=主婦の免罪符」なのではないだろうかと考えました。
忙しく働いている主婦の方は、本当なら自分の腕をふるってご主人やお子さんのために料理をしたいけどその時間が取れない、かといって食品スーパーのお惣菜を食卓に並べるのでは気がひける、でも柿安のお惣菜なら許される感じ・・・そんな主婦の方々の意識が柿安のヒットの裏側に存在しているのではないだろうか。
では、こうした主婦の免罪符意識を別の市場に展開したらどんな商品が生まれるだろうか。お掃除サービス市場ってあるかな?テレビ番組を見ながらこんなことを考えました。

こうした仮説や推測が正しいかどうかは実はあまり重要なことではありません。
むしろ大切なのは、普段何気なく見ているものを、自分なりに解釈したり、時代の動きや事象と関連付けたりしながら、ものごとの本質に迫ろうとする「思考の習慣」を持つということです。
そうすることで、マーケティング発想の基礎体力が確実に付いてきます。よく言われる「供給者視点」の壁を超え、「消費者視点」でものごとを発想し、ビジネスに応用するためにも、こうしたトレーニングはとても有効なものと思います。

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ちょっと前のCMで恐縮ですが、今回はGoogleの音声検索機能を紹介したCMの気付きをお話したいと思います。CMをご覧になった方も多いかと思いますが、ひとりの女性がスマホに向かって「なかめぐろアートギャラリー♪」と唄いながら検索するというCMです。
この“言葉をメロディーにして検索する”というシーンを見て、こんな気付きがありました。

ひとつは「唄うことで、検索という行為を便利さから楽しさに転換してくれた」という気付きです。
文字入力しても、音声入力しても検索結果は変わりませんし、利便性もそれ程大きな違いはないでしょう。もしかしたらテキスト入力に慣れた人達はそちらの方がより便利さを感じるかもしれません。また、日本人のメンタリティ特性かもしれませんが、機械に向かって話しかけることへの違和感や気恥ずかしさってありますよね。
つまり音声検索を「利便性軸」で語る限り、そこに大きな違いや魅力価値は提示できないし、利用の強いモチベーション喚起にもつながりません。
しかし、楽しい時にふと好きなメロディーを口ずさむように、“言葉をメロディーにして検索する”ということ自体が楽しさだったり、次の楽しさの入り口だったりというように音声検索を見せてくれることで、「便利だから」ではなく「楽しいから」利用するものという魅力価値と新しいモチベーションを私達に与えてくれます。加えて、メロディーにすることで機械に向かって話しかける違和感を少なからず解消してくれるというメリットもあるでしょう。

ふたつ目は「唄って検索することが、私達に沢山のHappyと出会う機会を与えてくれる」という気付きです。
唄って検索したいのは楽しいこと・Happyなことです。ネガティブなことを唄うことはないでしょう。つまり唄って検索するというのは“Happyなこと探し”なのです。
みんなが唄いながら検索するようになれば、そこには沢山のHappyとの出会いが生まれ、みんながHappyになれる・・・そんな素敵な世の中になったらいいなぁというGoogleの(もしくはCMプランナーの)思いが込められているのではないかと思います。

ほぼ同時期に放映されていたauの「Siri」のCMでは、「サカナクション流して!」と言ってスマホに依頼(命令?)していました。音声認識技術を使ってデバイスに動作させるという点ではSiriもGoogle音声検索も同じですが、提供する価値やベネフィットの見せ方やコミュニケーション・コンセプトの点では大きく異なっていると思います。
デバイスを便利なサーバントとして付き合うのか、Happyと出会わせてくれる友達として付き合うのか、そんなデバイスとの付き合い方の未来図もこの2つのCMから考えさせられます。
デバイスの動作の結果に対する「ありがとう」はどちらに感じますか?

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起業を考えている方や、新規事業を模索している方にとって、どのステージの市場の中で商売をするかというのは大きな悩みどころです。
一般的には「成長市場」を狙うのが定石ですね。今のスマホ市場を見ても分かるように、市場が爆発的に大きくなるということは、新規参入のチャンスも大きいし、大きなお金の流れの中に身を置くことで、入ってくるお金も大きくなる可能性が高まります。
しかし一方で、野心溢れたチャレンジャー達が次々に登場し、ビジネスを競い合うという激戦区でもあります。よほどビジネスモデルの斬新さと体力がないと、あっという間に追い越され埋もれてしまうという辛さがあります。

では「成熟市場」はどうでしょうか。もはや市場の大きな広がりが見込めず、大手資本によってシェアが固定化してしまっている、つまり“動きのない”市場です。
一見参入は難しそうなのですが、この成熟市場の<隙間>を狙うという戦略は一考の価値があると思います。

例えば成熟市場の代表選手である生命保険。加入率79%という超成熟市場です。
この超成熟市場の<隙間>を上手く突いたのが「保険の窓口」や「保険市場」といった保険の見直しサービスビジネスです。
中立的な立場で現在加入している保険商品を見直して、複数社の保険商品の中から最適な商品をアドバイスするというこのビジネスは、自分が加入している保険の内容を気にし始める40代を中心に人気を集めているようです。
この年代の人達は、若かりし頃に何となく保険に入ってしまった人達です。皆さんの中でも会社に入社した途端に保険のおばさんが大挙してやってきて、「あなたも社会人になったんだから保険くらいちゃんと入らないと駄目ですよ」なんて訳の分からないことを言われて、勧められるままに保険に加入してしまったというご経験があるかもしれませんが、年齢を重ね、本当に保険の必要なステージにさしかかった時、「今加入している保険って大丈夫?」と気にし始めます。まさにここに「保険の見直し」という<隙間>が存在しているのです。

「動きのない」成熟市場と、生活者を取り巻く環境変化、時代の変化やライフステージの変化という「動き」の間には常に<隙間>が生まれます。そしてこの<隙間>こそが新たなビジネスチャンスだと思います。
成熟市場をもう一度眺めなおしてみて、そこにどんな<隙間>があるのか、その<隙間>を埋めるにはどんなサービスがあり得るのかを考えてみることで、新規事業のヒントが見つかるかもしれませんね。何よりも成長市場と違って野心的なライバルが少ないのも魅力だと思います。

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